2007.06.06 Wednesday
わかばスクールだより
平成19年 初夏
緑鮮やかな季節、庭いじりの好きな私には最高に楽しめる季節です。
今、わが家の庭は木いちごが鈴なりで次はブルーベリーが色づいてきます。
世の中には楽しいことがたくさんあるというのにニュースを見れば悲しいことばかり、
少年犯罪も後を絶ちません。
「わが子は大丈夫だろうか?」と親は皆不安になりますね。
事件を起こした子ども達の成育が今一番の研究課題になっており、その根源が幼児いや乳児期にあるらしいということが言われています。
私も1才児から指導させて頂いていますが深く子どもを見れば見るほど、接し方の重大さと責任の重さを感じます。
野田 鏡子
[一般的な発達理論]
☆ 生後0か月〜3か月 「基本的な信頼関係の成立」
お母さんと一緒に居るのがとても安心な時期です。
☆ 3か月〜8か月 「母子共生関係の成」
お母さんとの心理的な絆ができる時期です。
肌のぬくもり、優しい語りかけ等がとても大切です。
うまくいかない子はこの時期に何か変化があると言われています。
例えば感受性が過度に強いか弱いかどちらも問題があります。
☆ 9か月〜 18 か月(一才半)「母親とのやりとりの複雑化」
「母親以外の人との関係成立」
他人との感情交流ができるようになる。この時期はとても大切です。
18か月前後の発達が一般的な危機と言われています。
どの事件だったか殺人を犯した少年の部屋がテレビで映されました。その時、精神科 の先生が「まるでサナギですね。」と言われた言葉が心に残っています。部屋の欄間に は新聞紙が一面に貼られカーテンは閉められ外との交流を断つかのように自分だけの世 界が作られていました。
この9か月から18か月までの成長から脱しきれていないままのようでした。
小学校や中学校になっていろいろな問題を起こす子どもは、ほとんどが乳幼児から何 らかの問題を抱えてそれを周りの人達が気づかないでそのまま大きくなっていく、それが今の子どもの様々な問題の根本にあるようです。
しかし、もしも「何かおかしい」と感じたり3才位になって目が合わなかったり、多動 であったりうまくコミュニケーションがとれなかったり・・・先天的に障がいがあると 診断されたとしても子どもは環境によって驚くばかりの変化をするものです。
「この子はこうだ」と決めつけないことです。 たとえ障がいがあるとしても密な働きか けによって障がいは軽くなるし目立たなくなります。しかし、そのままほっておくと 後々問題が起こってきます。
できるだけ早い時期に気づき対処することです。人の気持ちを感じとる感性は5才まで に育ちます。
子どもの心の問題の解決方法として一番効果があるとされているのがプレイセラピー
(遊戯療法)です。たいていプレイセラピーだけで治ると言われています。
プレイセラピーの基本は[受容と共感]です。
これはお母さんが子どもと接する上でもとても参考になる方法だと思います。
受容・・・子どもを完全に受け入れること。
共感・・・目線を子どもと同じにし子どもの楽しさが自分の楽しさになること。
子どもの喜びや悲しみを共に感じることです。
わかばスクールではマンツーマンの授業で3か月(12回)を目安に行います。
年令が低ければ多動は3か月でほとんど治ります。大きくなるにつれて治りにくいので す。
良く遊べる子どもは良く学びます
心から自由に遊べる子どもは心身共に健康です。心が健康に育っていた子がいきなり変身して悪くなるということはないのです。
遊びの中から楽しさを知り夢中になって考えることが結果的にストレスをためずに賢い子に育つのです。
先ずしっかりとした親子の絆を作りいろんなことに興味を持つように導いてあげる。
そして、共に楽しむ。遊びの中から必ず何か吸収していますよ。
知識を教えることが賢い子を育てることではありません。良く遊べる子は発想が豊かで
知恵があります。
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